思えば初めてブギーポップに出逢ったのは高校生のころでした。
なんとなく手に取った「ブギーポップは笑わない」があまりに面白くてそのまま上遠野浩平作品を次々と読破。授業中に熱心に読んでいたらクラスメイトに興味を持たれたので本を貸したらその友達も嵌まってしまい気がつけばクラスの一部でブギーポップのムーブメントが起きていました。

内容は可もなく不可もなく。ただアマゾンのレビューで「原点回帰」という単語を見て納得。そういう視点で見ると確かに良い作品かもしれません。
でも相変わらず能力者の戦闘が何でもありのオンパレードなのはどうかと。昔の作品ではまともだったのに。これも回帰してもらえませんかね。

ところでこのブギーポップは一体いつになったら終わるんでしょう。風呂敷を広げるだけ広げてちゃんと収まるのか怪しいところです。このままでは某ワ○ピースになってしまいかねません。
何年かかってもいいからきちんと終わらせて欲しい。それだけを切に願っています。

火車

2006年12月6日 読書
印象的だったのは
「安全運転をしている人が交通事故に遭ってしまうように、特に問題のない人が借金苦を負ってしまうのだ。たった1枚のカードのために」
という言葉(本文よりかなり意訳しています)。

僕の持っているクレジットカードにはキャッシング機能が付いてますが決して使わないとこの本の読んで心に誓いました。

 
休職中の刑事の下に届いた突然失踪した親戚の婚約者の話。調べてみると彼女は他人の身分を乗っ取って成りすましていたのだ。一体何の為に。

話は面白かったのですが、終わり方が期待外れだったので残念でした。ああいう終わらせ方って小説じゃやっちゃいけないと思うんですけどね。僕は。
最後の「電子の星」というお話、どこかで読んだ気がするなと思っていたら以前マガジンで漫画化されたのを読んだことを思い出しました。確かサイコメトラーエイジの人が書いてたはず。小説の映像化ってあまりいい印象がないのですが、このマンガは面白かったです。もちろんこの本も。
バイト先で石田衣良さんにお会いしたことがあるのですが、テレビで見た通り物腰の柔らかな方でした。
あんな優しそうな方がこんなハードボイルドを書いてしまうんですから面白いですね。まさに人は見かけによりません。

相変わらず読みやすくて楽しめました。

ZOKU

2006年11月1日 読書
内容(「BOOK」データベースより)
犯罪未満の壮大な悪戯を目的とする非営利団体“ZOKU”と、彼らの悪行を阻止せんとする科学技術禁欲研究所“TAI”。その秘密基地は真っ黒なジェット機と真っ白な機関車!謎の振動、謎の笑い声、ばらまかれる芸術作品…。一体何のために?被害者が気づかないほどのささやかな迷惑行為をめぐり、繰り広げられる悪と正義(?)の暗闘。痛快無比の物語。


 
 
大学生協で何読もうかなぁと思ってフラフラしていたら飛び込んできた「森博嗣」の名前。
森センセは四季の文庫版が出るまでいいやと思っていたのに表紙裏のあらすじを読んだらいてもたってもいられなくなりそのまま購入しちゃいました。

感想はまぁ普通っちゃあ普通かな。特に派手さがなく淡々と進んでいくので刺激が欲しい人にはおすすめしません。例えるならアンパンマンとバイキンマンの攻防を「ま〜た、何やってんだか」って眺めてる感じ。
森センセ上級編。

見開き2ページの内1ページが写真、もう1ページが短編というショートショート。

森博嗣の世界が好きな人のための本でありそれ以外の価値は皆無。
何も知らずに表紙買いをしようものなら目も当てられません。

アフターダーク

2006年10月28日 読書
文庫本になるのを長らく待ってました。やっと読めました。

 
だいぶ表現が変わったように思えます。今までの奥深い比喩表現がなくなり、また抽象的な表現も影をひそめとてもすっきり読みやすいと感じました。

また、内容は少し物足りない感もありますが作品を通して伝えたい「何か」を感じ取ることができて自分としては満足です。今まで村上春樹を読んできて作品から「何か」を感じ取ることが出来た試しがありませんでしたから。

 
読みやすくなった村上春樹。これだけでも十分読む価値はあるのではないかと。一部では評価が悪いようですが。

「ああ、素敵・・・・・・」
萌絵はプレゼントを取り出し、指に通した。彼女は車内灯を点け、片手を挙げて眺める。
「うーん、どうしましょう、私・・・・・・。どうしたら良いですか?」
「クラッチを踏んで、ローにギアを入れる」


深夜に1人ツボにはまって大爆笑。もうホント大好きです森センセ。一生ついていきます。
マンションの駐車場で真っ赤に塗装された死体が発見される。被害者の名前は「赤井」。
まもなくしてアパートの1室で緑色に塗装された死体が発見される。被害者の名前は「ミドリ」。
警察の捜査が一向に進まないなか黒く塗装された死体と白く塗装された死体が発見される。

森センセにしては珍しい(?)連続殺人物。でも相変わらずというかトリックや犯人は大して重要ではありません。
全10巻からなるVシリーズの最終巻として見事に役目を果たしている本作。あとは四季シリーズを読むだけ。はやく文庫落ちしないかなぁ。
これは前々回の六人の超音波科学者の続きのお話。

超音波研究所の地下室を警察が捜索したところ密室状態の部屋で1体の死体が発見される。
同じ頃主要人物の1人瀬在丸紅子(せざいまるべにこ)はとある人物から衛星軌道上のシャトルの中で乗組員全員が殺害されたという話を聞く。

遠く離れた場所で起きた2つの事件が物語が進むに連れて徐々に繋がりを持って行く様は読んでいて刺激的。
続きが気になってどんどん読んでしまい気が付けば1日で読み終わってました。

それにしてもずいぶん前に読んだ短編集のお話がここに繋がっていたなんて驚きです。さすが森センセ。
姐さん事件です。

本書で保呂草潤平と西之薗萌絵が会話してます。これは事件です。

 
森博嗣のS&Mシリーズに登場するキャラとVシリーズのキャラが出会ってしまった本作品。S&Mシリーズから読んできた身としては興奮を憶えずにはいられません。犀川先生が、犀川先生が喋ってるよぉぉぉぉぉ。

それにしても保呂草さんなんだかんだできっちりお仕事しているあたり素敵です。萌絵ちゃん詰めが甘かったね残念。

 
森センセの本にしては珍しく薄かったので1日で読んじゃいました。
はやく次の作品買いに行かなきゃ。
舞台は山奥にひっそりと佇む超音波研究所。
そこで行われるパーティーに呼ばれた主人公たち。
パーティーが始まるや否や研究所と下界を繋ぐ橋が爆破され研究所は山奥に孤立してしまう。
そして研究所では他殺体が発見される。
犯人は?トリックは?

 
今回は舞台が研究所ということもあり、いつにも増して理系のお話が随所に散りばめられています。
さすがは元工学部助教授。研究や実験室の描写をさせたら右に出るものはいません。

特に印象に残ったのが地球と地球から何万光年離れた星の間に1本の長くて丈夫な棒を渡し、その両端をそれぞれ人が持ってお互いに棒を押したり引っ張ったりすることによって通信ができるか?というお話。
これでも工学部の学生の端くれだというのに碌に考えもせずただ素直に感心してました。

全体のお話としては普通だったかな。

TUGUMI(つぐみ)

2006年9月24日 読書
見た目は美少女なのに性格がものすごく捻くれてとんでもない言動を繰り返すつぐみ。久しぶりに強烈で印象的なキャラクターに出会いました。
でもあんなはちゃめちゃなつぐみのモデルがあの人だなんてちょっと意外です。


吉本ばななの本を久しぶりに読んだけれどやっぱり読みやすくていいですね。読後感がさっぱりしているのもいいです。
最近読んでいるのは森博嗣の作品の中で「Vシリーズ」と呼ばれている作品なのですが、そのVシリーズの中で最も評判が良いとされているのがこの恋恋蓮歩の演習なのです。

あらすじは簡単。主人公達が乗り込んだ豪華客船で人が1人、絵画が1枚消えてしまう。果たしてその真相は?というもの。こうやって書くとホント単純なお話に思えますがそこは森センセ。一筋縄ではいきません。

この本は始め事件にはほとんど関係のない話が語られていきます。なかなか事件は起こりません。しばらくしてようやく事件になったと安心して読み進めていくのですがところがどっこい。この一見事件と関係のなさそうな前半のお話が実は大きな前振りとなっていたのです。
最後まで読んでえ〜っ!?と驚いたあなたは本を最初から読み直してあ〜なるほどと納得する事でしょう。
謎が謎を呼ぶ、まさにそんなお話でした。う〜ん満足。
今回は短編集です。

短編集になるといつものルート2倍ほど話の意味が分からなくなります。
どなたか解説していただけませんでしょうか。

それにしても犀川創平に西之園萌絵だなんて久しぶりに懐かしい名前に出会いましたよ。そういえばそうだったね。こんな感じだったね。
またまた森センセ。


飛行機のアクロバットショー中にパイロットが1人射殺される。飛行中の機内で起きた密室殺人。トリックは?そして犯人は?


まんまと騙されました。
言われてみると確かにそうなんだけど、オレの頭じゃどうやってもそこまでたどり着くことはできません。まさに作者の思うツボ。くやしい。
でもやっぱりおもしろかったです。
渋谷にあるN放送っていったらやっぱあれですよねぇ。あれしかないですよねぇ。

トリックはさっぱりだったけど犯人は途中でわかりました。勘なんですけどね。

なんかいろいろ釈然としないところがあったのですが・・・うーん。
も一度読めばわかるかな。

相変わらず楽しめたのでOK。
殺人事件と思いきや実は・・・というお話。テーマは「意図」。
フェアかアンフェアかと訊かれると少々アンフェアかもねと思えなくもないけれど、自分はそういうことに対してのこだわりはないので構いません。要は面白ければいいんです。
これは面白く読めました。
中巻で起こった事件を軸に物語は展開していきます。
事件の真相は一体?
3人の兄弟の運命は?

 
海外文学には抵抗があったのですが、これは最初から最後まで面白く読めました。
長ーい小説を読みたい人おすすめです。
そして中巻。

1人前になった3人の子どもたち。しかし血は争えないらしく父が父なら子どもも子どもで3人ともかなり濃いキャラクターの人間となります。
その3人の子どものエピソードについて書かれていきます。
また、この物語ではキリスト教が大きな意味合いを持っているのですが、やはり宗教に明るくない自分としては取り残され気味に。神とか奇跡とか慈悲とか赦しとか言われてもピンときません。
そして後半に大きな事件が。話が大きく動きます。

下巻に続く。

1 2 3 4 5 6

 

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索