それはあまりに突然で

彼女ができました。




今日は自由が丘でデート。いつも通りふらふら歩いては気になったお店を見て回り、疲れたらお茶をしておしゃべり。
日が暮れて渋谷に戻るとお腹が空いたねと食事をすることに。

小さなテーブルを挟んで向かい合わせになり、お酒を飲みながら会話をしていると彼女が1年前の話を切り出した。

「1年前告白してくれたけど私のどこが好きだったの？」

僕は当時思っていたことをありのままに話した。

「この1年の間にいい人には出逢えたの？」

色々あったが最終的にはいなかったと僕は話した。

「1年経って今はどうなの？」

結局1年前と想いは変わらない。君となら結婚も真剣に考えることができるんだと自分の気持ちを素直に伝えた。

「同じ部署だけど大丈夫かな？」

普段職場では挨拶を交わす程度だから問題ないし、周りに知られないように最大限の努力はする。

少しの間が空いて彼女は笑顔で頷いた。

「ありがとう。とても嬉しいです」

思えばずいぶん久しぶりに嬉しいなんて言葉を口にした気がした。

あまりの急展開に僕は驚き、その緊張から胃がぎゅっと締め付けられる感覚が家に帰るまで続いていた。


あぁもうホント女心ってわからない。