tabaco

最近タバコを吸い始めた。

きっかけはとある朝だった。
よく晴れた日の朝、僕は何かに引かれるように自販機へ赴き何かに取り憑かれたかのようにタバコを購入していた。

タバコを吸ってみたい
そんな単純な感情ではなかった。そこにはもっと純粋でもっと強烈な何かがあった。

以前バイト先の飲み会である人に訊いた事がある。
いつからタバコを吸い始めたんですか？
つい最近彼女に振られてからです。
その時僕には彼の気持ちが全く理解できなかった。

しかし今なら彼の気持ちがわかる気がする。

タバコを吸うと言う行為は一つの自傷行為なのだ。

人が手首を切るように、人はタバコを吸うのだ。

自分を傷付けることによってのみ自分を救う。
そんな歪んだ救いが人間には確かにある。

もしかしたら僕の中にあるやりきれない想いが僕をタバコに走らせたのかもしれない。

タバコがもたらす救い。
手首を切るよりいいだろう。